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贈り物 ～クリスマスイブの夜の奇跡～
ペリーおじいさんはお金持ち でも街1番のけちんぼう ペリーおじいさんの悪口は 街をつつむくらい溢れている クリスマス イヴだけは ペリーおじいさんの悪口は消え 楽しいクリスマスソングが 街を優しく包み込む ただペリーおじいさんの 家だけを残して 雪が街を白く染めながら クリスマスイヴの夜は 静かに静かにふけていく ボトルいっぱいにあった ウィスキーもいつしかなくなり ペリーおじいさんの...
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青春の影 ５
翌日の12月9日由美子とデ－トをした。葛西から聞いた由美子の話は衝撃的だったが、それでも由美子の力になりたいという気持ちは変わらなかった。木枯らしが吹き、クリスマスの飾りが仙台の街を華やかにし、クリスマスソングが流れ、由美子にとって最後の仙台での時間となろうとしていた。青葉通りを歩き勾当台公園の野外ステ－ジに向かった。隆は昨夜ギタ－を野外ステ－ジの側に置いていたのだった。ベンチには誰もいなかった。由...
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１２月間近
２０１５年５月までは、母の介護に追われました。現在、介護が問題になっていますが、昨年３月までは自分に関係ない世界だと思っていました。しかし突然肺が硬くなっていくという突発性間質肺炎になりまして要介護になりました。本当にケアマネージャー、医療の手続き、施設探しなど妹と一緒にやりました。本当に青天の霹靂で、生活が一変しました。ブログ・音楽・旅から遠ざかり、仕事場と施設の往復。思っていたより大変な現実です...
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青春の影 ６
「私たち恋人同志にみえるかしら」 由美子がはにかんで言った。 「もちろん、恋人同士の何者でもないよ。ところで何時の列車で帰るんだ」 「１８時１５分の列車で帰るわ、今日の事は忘れないは」 「小学校の先生になる夢、わすれんなよ」 「私、先生になる資格なんてないわ。今は言えないけど…」 「何も言うな。言わなくていいよ。でも必ず夢を叶えてくれよ。俺、応援するから」 修一は、まっすぐ由美子の目を見て言った。...
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青春の影 ７
太田はしばらく予備校に姿を現さなかった。予備校に姿を現したのは１２月２４日、クリスマスイブの日だった。誰よりも真面目な太田は、2週間以上予備校に来なかったのである。「おい、どうしたんだよ、全然予備校に顔も出さないで」隆は突然姿を現した太田に驚いた。太田は顔中髭だらけでやつれていた。「いや、英語で童話を書いていたんだ」「童話だって！」「うん、アイリンにあげようと思ってさ。」隆は、太田のとった行動があま...
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夢の樹
君は笑顔で夢の樹を育てていた 細くて今にも倒れそうな木だった 君はどこか頼りない木のために 愛という毛糸を編み樹がらマフラーを編んだ 現実の風や厳しい嵐から守るために 夢の樹は折れやすいけど 君の愛情を知っているから いつか大地に深く根付いているはず 季節が訪れたら夢の樹はきぅと実をつくるよ 季節は人によって違うもの 焦ることは ない ただ 夢の樹を信じればいい 夢の木は 季節が 来たら...
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雪割草のように
真っ白に覆われた雪の風景の中から 淡い色彩の雪割草が 凛として花を咲かせた もうすぐで春が訪れると伝えてくれる 誰にだって冬の季節は訪れる 何をやってもうまくいかなかったり 心ない言葉に傷つけられたりする 寒さに凍えそうな冬の夜には 春の訪れを待つのがいい 無理して花を咲かせることはない 必ず季節は巡ってくるのだから 誰にだって春は必ず巡ってくる 冬がいつまでも続くわけではないはず...
View Article青春の影 ８ エピローグ
「君達か、東北大生と言ってアイリンに近付いたのは」 威厳のある父親が隆と太田を睨んだ。 「アイリンに謝らせて下さい」 太田がホストの男を見た。ホストの男は５０代でどこかの会社の重役という雰囲気だった。 「謝るだけだぞ」 ホストの男は、隆と太田を一瞥して、アイリンを呼んだ。隆と太田は、何か言いたげなアイリンに頭を下げた。 「もういいだろう。君達は帰りなさい」...
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小さな村の独り言 ～春～
おひさまが 山と山の間に隠れる頃一枚の殺風景な絵が 急に賑やかになる 春夏秋冬の季節の中で 春土筆が小さな村に 春の訪れを知らせてくれます 校庭に桜の花片が舞う 小さな分校に 独りの転校生が 春風に乗ってやってきました 分校の子供達は 町言葉を話す転校生が苦手でしたどう話していいか判らなかったのです 転校生は来る日も来る日も 小川の水面に映る自分とだけ 話をしていました ある青い土曜日の午後...
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あの頃によせて
明日は、ジョージハリスンの命日なんですね。ビートルズと出会ったのが中学１年生の時。好きになった娘がビートルズファンということで、レコードを借りて聴きました。借りたレコードは、派手な絵のジャケットでビートルズ初期の代表作が入っている“オールディズ”でした。今みたいに動くビートルズを見る機会がほとんどなく、田舎町に３本立ての映画が来て、はじめて動くビートルズを見ました。「ビートルズがやってくる...
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小さな村の独り言 ～夏～
夏 蝉が鳴く紅色の夏の夕暮れ 緑の木々が茂る分校の裏山で おにがらを捕まえる子供達 ランニングシャツの日焼けした少年 麦わら帽子の背の低い少年 虫取り網とかごをもったもやしみたいな少年 いつも集まる子供達の夢を乗せて 雲が西の空にぷかぷか浮いている 突然独りの太った少年が 崖から滑り落ちてしまいまった 次の日から車いす 青い空と真っ白な入道雲が 夏休みを連れてきました 足が治って歩けるというのに...
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鏡の世界
西暦2099年 12月31日11時５９分59秒Ｄｒスミス氏はどうしたものか鏡の中に吸い込まれてしまった 鏡の中の世界は青いバラが咲き乱れオレンジ色の空とレモン色の海 鏡の中の住人のあいさつは不思議で素敵なメロディ 鏡の中の住人がＤｒスミス氏に言うことには“あなたは百億人の人々から選ばれた 夢と追いかけっこしている 子供の心を持ち続けた大人” 目を閉じれば星空キラキラトパーズ色の雲に乗ってふわりふわり...
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小さな村の独り言 ～秋～
秋のとある日曜日の夕暮れ 子供達はおそるおそる 古いお寺の境内に お堂の側には橙色に熟した柿の実が たわわにぶらさがっている木が一本 紅い空に紫の雲に数羽の烏 お寺の鐘がなるのを待っている 秋の何処かもの哀しい風景 子供達は木の上で 柿の実を夢中で盗っている 突然真っ赤な顔をした和尚さんがひょっこり顔を出した 子供達は蜘蛛の子が散るように一目散に逃げていく どうしたものか一人の子供が...
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小さな村の独り言 ～冬～
冬 神社のお宮の境内にある池が 冷たい透明氷に覆われて しんしんと雪が降る深夜 朝目を覚ました子供達は 真っ白なおもちゃに駆けていき 真っ白な城である大きなかまかまくらをつくってます 真っ白な雪をかぶった木の陰から 一人の村の子供達とどこか雰囲気が違う少年が かまくらをつくっている子供達を見ています 仲間に加わりたいけれど 少年の心には厚い氷が張っているのです いつもより蒼い寒い朝がやってきました...
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沖縄から帰ってきました
本日 沖縄から帰ってきました。沖縄の気温は21度から24度くらい、東北の9月初旬の雰囲気でした。青い空に、エメラルドグリーンの海に珊瑚。そしてサトウキビ畑。半袖でも十分な気候でした。そして飛行機から降りて空港を出るといつもの年より暖かいといえども冬です。沖縄まで仙台から3時間。那覇空港からタクシーで国際通りのあるホテルへ。 今回は仕事半分観光半分の旅でした。...
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なんくるないさ
エメラルドグリーンの海に青い空 砂糖黍の穂が秋の風に戯れている “なんくるないさ” ひめゆりの塔で出会った 老婆が優しく笑っている あなたの笑顔の裏には深い悲しみ あなたが少女だった頃 この穏やかな地は哀しみに包まれていた どうして人は同じ過ちを繰り返そうとするのだろう 琉球の地はいつも幸せを求めているはずなのに 三線の音は南国の調べだけれどどこか哀しい エイサの踊りはどこかやり場のない気持ち...
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淡雪のクリスマスソング ２
「どうして、ポールはぺりーおじいさんの事を庇うのさ」 背の高い少年がポールを見ました。 「なんとなくだけど、ペリーおじいさんってみんなが言うほど悪い人じゃないような気がするんだ」 ポールが他の３人を見ました。 「しょうがないな、ペリーおじいさんの家にも行ってみるか」 太った少年が言いました。北極星が雪の舞う遙か向こうで頼りなさそうにゆらゆら揺れています。...
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