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Channel: かすみ荘にて
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はじめてのキス

思春期を過ごした木造校舎が 取り壊されると知ったのは 銀杏の葉が黄色く色づいて舞い散る晩秋の日 想い出という落書きが散らばっている 色鉛筆で描いたような見慣れた風景だった 冬の雪灯りに照らされた放課後 転校していく君と交わした言葉が 君が奏でる「別れの曲」のメロデイに乗って踊る 別れ際に交わした淡いキスはソーダ水の滴 ほんの一瞬だけれど触れた君の唇 時の落ち葉の中で色褪せることはなかった...

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心の中の庵にて

 ずっと昔、19歳の頃 詩杜香という詩のサークルに入っていた頃、中心だった方とブログを通して再開しました。愚濁庵というネームでブログを書いておたれます。時々遊びに行っています。35年ぐらい時を経ての再会なのに同じ発想を持っていた事に驚かされました。やっぱり時を経ても感受性は変わらないのかもしれませんね。先日、詩杜香の仲間と撮った写真が見つかり懐かしくなりました。...

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青春って

 この頃 昔のドラマのDVDを観ています。1970年代、中学時代に観たドラマが、拙者の価値観に影響を与えているような気がします。「飛び出せ青春」「我ら青春」「俺たちの旅」「傷だらけの天使」「探偵物語」。いろいろ教わった気がします。  今「飛び出せ青春」を観ています。昔観ていたときは、高校っておもしろそう...

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夢や希望を信じて

地区のフェスティバルのために中学生と一緒にバンド活動をしています。リハーサルも本格的になってきました。演奏曲は、「千本桜」「DONT SAY LAZY」「小さな恋の物語」というアニソン中心の知らない世界です。今の曲は、リズムが複雑だね。昔「死んでれら」で演奏した曲は、チューリップやカーペンターズやビートルズなど8ビート中心だったのにね。...

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永久に続く想い

紅葉に彩られた大和路 人妻となった君と過ごす青春の残照 限られた時間が永遠の瞬間に変わることがある お互いに知らない時間を旅して 想い出に優しくなれた晩秋の陽射し 想いはどこかでくすぶっていたから 再会しないと心に決めて二人で歩く時の流れ 一夜が永遠に色褪せることがないそんな気がした 晩秋の月明かり夜が明けたら  穏やかな日常に帰っていく事を知っているから 君の温もりが愛おしい...

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小さな奇跡

今週の日曜日、「連れ」が、突然ピアノを買ったのでありました。以前よりピアノを欲しがっており、はじめは、キーボードでよかったと思っていたのでしたが、本格的なピアノが欲しいという事で、中古のピアノを買ったのでありました。好奇心旺盛な拙者も、「連れ」のピアノを使って密かに練習しています。「中高年のピアノ...

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小説家をめざして だった頃

  このブログが誕生したのは、2006年9月3日です。誕生してから、早いもので9年の時間が過ぎました。...

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晩夏かな?

 ブログが誕生した9月。9月って好きなんですよ。ちなみに拙者の「連れ」の誕生日は9月3日です。何でもドラえもんも9月3日らしいです。9月の記憶って、闇に灯る橙色の灯りです。昭和の長屋がたくさんあった昭和40年代。夕暮れが闇に包まれる頃橙色の灯りが家々にともっていく。そんなどこか寂しくて温かな雰囲気が好きなのかもしれません。そしてなぜかリコーダーの音色を思い出してしまいます。...

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時の中で

 9月 確か 詩のサークル詩杜香が結成された月だった気がします。35年前、9月、拙者が書いた詩を乗せたいと思います。たぶん、あの頃予備校生だったような。19歳だったのかな。 昔君はいつもお空を飛び回り ブルーな僕の心に 落書きばかりしていたのに いつしか君は 自分を飾ることを知り お空を飛ぶ方法を忘れてしまった 昔君はメアリーポピンズのように いつもたくさんの魔法を使って たくさんの楽しい...

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「連れ」の怖い夢

本日は寝不足です。怪談話は、夏に限るのですが、東北は晩秋の感じで、怪談話は似合いません。草木も眠る丑三つ時つまりは午前3時頃、隣で眠っていた「連れ」が“誰かいる”と大きな声で叫んだのです。「どうした」拙者は、飛び起きて、隣で眠っている連れを起こしました。話を聞くと、青い作業着の男が窓から入ってきてあそこにいると指さすのです。しばらくして夢であることに気づいたようです。窓を開けていたので窓を閉めました...

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原点 ~1980年代半ば~

大学時代だった1980年代半ば、「軽薄」という言葉がもてはやされ、明るいか暗いかが価値基準でした。暗い性格は悪とされていたあの頃。拙者はというと、表面上は軽薄ぶって、佐野元春の「SOMEDAY」を口ずさんでキャンパスを闊歩していましたが、四畳半のアパートに戻ると小説を書いたり、ギターで作詞作曲をしていました。世田谷...

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月の滴 1

第1章 謎の訪問者「ちぇ、浮気調査に素行調査に身の上相談、挙げ句の果てに星占い。こんな事をするために探偵事務所を開いたんじゃないぜ。それにしても、つまんねぇ仕事ばかりだよなぁ。ここらあたりで画期的な事件でも起こんねぇかな。そうだろう、へろふみ君。コーヒーのお代わりをヨロシク!!」...

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月の滴 2

事務所も酷いが、中もめちゃくちゃに散乱しており、拾ってきた二段ベッドでようやく寝床を確保できた。そして所有財産は、これもボロボロの軽自動車1台だけだった。夢は、「青年よ、大志を抱け」とクラーク博士が言ったように大きく青山にビルを建てベンツを乗り回し、奇麗なおねぇちゃんととっかえひっかえ交際する事であるが、現在の修一達の現在の生活を見れば夢のまた夢である。 「先輩、コーヒー、できましたけれど」...

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月の滴 3

「理由は、後で話しますから、早く長崎に連れていって下さい!!」 「わかったよ。長崎に行く前に着替えろよ。隣の部屋に俺のセーターとジーパンがあるから」 修一が、女性を見ないで背中向きで言った。女性が、隣の部屋に消えると入れ替わりに、博文が修一のところにやってきた。...

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月の滴 4

「そうですね、これは、何かありますね」 「よし、決めた!!俺も彼女と長崎に行こう。俺はおまえと彼女の写真を撮るよ」 「写真を撮ってどうするんですか?」 「へろふみ君、君って本当に鈍いなぁ。スキャンダルだよ、スキャンダル。三峰商事の会長を写真で揺するんだよ。とにかくアラブの大富豪のところに娘をやるというのは、まぁ一種の政略結婚だ。そこにつけこむんだよ」 「さすがですね、なかなか悪知恵が働くようで……」...

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月の滴 5

第3章 長崎物語 「あのー、まだ、名前を聞いていないんだけれど……」 修一が、隣に座っている女性を見た。 「あ、そうか、こっちから名乗らなければいけないんだよな。俺、坂本修一、そして運転しているのが、山下博文」 「そうだわよね、私、まだ自己紹介していなかったわよね。私、峰香。よろしくお願いします」 香が、少しはにかみながら修一を見た。...

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月の滴 6

「それでは、へろふみさん、作戦通り、Y計画を実行するぞ。」 外に出て煙草をふかしながら修一が、博文を見た。 「少し休みましょう……」 タフさだけが取り柄の博文が音をあげた。 「こんな時間か?」 修一が、時計を見た。時計は、5時を指していた。目の前の12聖徒のブロンズ像に夕日が当たっていた。 「すげぇ、立派なホテルじゃんか」...

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月の滴 7

「どうして、長崎を訪れたかったんだ?」 修一は、おもむろに香を見た。メガネを外した香はとても美しかった。 「亡くなった母の故郷なの。一度母の故郷をこの目で見たかったんだ」 香が悪戯ぽく笑った。 「なるほど、君の母さんの故郷だったのか?」...

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月の滴 8

本当にこの娘が彼女だったらなぁ。” 修一は、隣にいる水色のワンピースを着ている香を見た。昨日香は、水色のワンピースを買ったのだった。2人は、その後丸山遊郭跡地に行った。見返り柳がポツンと時代の忘れ物の様に立っていた。 「ここで、男の人達は叶わぬ恋を振り返ったんでしょうね」 香が、ポツリと呟いた。 「叶わぬ恋か……」...

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月の滴 9

第4章 GOOD BYE花瓶にいれていた紫陽花の花はいつのまにか色あせ、夏が到来した。東京の夏はとにかく暑い。修一は、上半身裸になって暑そうにうちわを扇いでいた。 「先輩、長崎の写真ができましたよ」 「そうか」 ばてた顔で修一は、博文を見た。博文の顔も汗だくである。...

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