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Channel: かすみ荘にて
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追憶 ~梅の香りの中で~

早春の空があまりにも哀しかったから 陽溜りの中の想い出を歩いてみました あなたと初めて言葉を交わした 白と青が鮮やかなニコライ堂に続く白い坂 お茶の水の街は青春の欠片の溜まり場 淡い陽射しが揺らめく聖橋に通じる通り あの日名残雪が風に揺れて舞っていたけれど あなたが描く絵のようにどことなく暖かかった 幸せを信じて綴った絵馬は 時の流れの中で湯島天神儚い夢になった...

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愛の破片の行方 6

隆は、喫茶店で珈琲を飲んだ後一人で寂しさを紛らわすため飲みに行きお金を使い果たしすっからかんになり梅ヶ丘のアパートまで歩いて帰るはめになった。昨夜から降った雪は渋谷の街を白く染め、クリスマスイブの雰囲気を盛り上げていた。朝陽の中木枯らしが雪を撒き散らし、隆はポケットに手を入れ、足早に歩いた。お金がないというのは不安をかき立てるもので心細かった。「まいったなぁ、飲み過ぎだよな。お金のないクリスマスイブ...

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愛の破片の行方 7

「空蝉さん、僕は諦めていませんよ。初めて会ったときから運命を感じていました」 「私は、運命は感じてません。あなたも見たでしょう、お金のために私は毎晩男に身を委ねる汚い女なの」 「そんなの関係ないですよ。お金なら幾らでもだす。あまり口にしたくはないけど権力だってある。私の申し出に逆らわないのが得策だと思うんだけどなぁ」 「私は、あなたみたいな男が嫌いなの。権力を盾にして女を思いのままにする男が。」...

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愛の破片の行方 7

「空蝉さん、僕は諦めていませんよ。初めて会ったときから運命を感じていました」「私は、運命は感じてません。あなたも見たでしょう、お金のために私は毎晩男に身を委ねる汚い女なの」「そんなの関係ないですよ。お金なら幾らでもだす。あまり口にしたくはないけど権力だってある。私の申し出に逆らわないのが得策だと思うんだけどなぁ」「私は、あなたみたいな男が嫌いなの。権力を盾にして女を思いのままにする男が。」「そうです...

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雛祭りと妹

ひな祭りになると 妹のことを思い出します。幼い頃 おひな様は 母親が 紙で創ったおひな様とお内裏様でした。そして側に梅の花の枝。これが我が家のひな祭りでした。妹は 友だちの家で 七段重ねのひな壇をみてきたらしく 母親に びっくりした表情...

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さよなら 淡い恋

樅の木が雪の帽子をかぶりクリスマスソングが街を覆う季節君から結婚式の招待状が届いた 暖炉に薪をくべた後古いアルバムを開いた 窓の外からは冬の優しい陽射し 眩しいくらい輝いていた時間の破片達 たくさんの想い出が踊り出した CONGRATURATION写真の中の君の笑顔に呟いた 樅の木が初夏の陽射しを戯れる午後純白のウェディングドレスの君の笑顔が眩しかった 今日は君が昔創ったラブソングを歌うよ...

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愛の破片の行方 8

「嘘を言うんじゃないよ、坊や。この女性の旦那は、病院を抜け出し、代々木公園にいるよ。ホームレスって奴だよ。段ボールの家の中で今日も凍えて生活してるよ。」「本当なの?」男の意外な言葉に慶子の表情が強ばった。「あぁ、おまえに苦労をかけたくなくて病院を出たらしい。何のあてもないのに。ただ保険金をおまえに渡すため、この寒空に身を投げて、命を削っているのかも知れないなぁ。泣かせる話だよ。それにひきかえ、おまえ...

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嵯峨野の恋

残り火のような嵐山の紅葉にも 寂寥とした冬の香りが漂う頃 夕暮れに包まれた渡月橋で別れた二人 君は 振り返ることなく 恋人達の影法師の中に消えていく 僕は渡月橋から君の後ろ姿を追っていた 物語の始まりだった嵐山 物語の終わりに選んだ嵐山 けっして綺麗事だけの 物語ではなかったから せめて最後は物語の始まりの場所を選んだ君 竹藪のトンネルを超えれば 君が好きだった嵯峨野路紅く色づいたもみじに...

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愛の破片の行方 8

「嘘を言うんじゃないよ、坊や。この女性の旦那は、病院を抜け出し、代々木公園にいるよ。ホームレスって奴だよ。段ボールの家の中で今日も凍えて生活してるよ。」「本当なの?」男の意外な言葉に慶子の表情が強ばった。「あぁ、おまえに苦労をかけたくなくて病院を出たらしい。何のあてもないのに。ただ保険金をおまえに渡すため、この寒空に身を投げて、命を削っているのかも知れないなぁ。泣かせる話だよ。それにひきかえ、おまえ...

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夢の足跡 ~カンボジアの風~ 5

近年、プノンペンは治安が悪いらしく、窃盗や強姦が多発しているらしい。まぁ、大通りの穏やかな雰囲気を見ている限り、「平和」な感じがするのだが、油断は禁物なのである。「連れ」がどうしても市場に行きたいというものだから、市場に行くことにしたのだが、カンボジアの有名な特産品など全くイメージできないでいた。道を歩いていると、バイクタクシーからタクシーからリキシャの運転手に声を掛けられたがにこっと笑って「NO...

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愛の破片の行方 9

「言ってなかったかな、空手5段なんだよね。僕は君みたいな理想かかぶれの正義ぶった坊やが許せないんだよね」薄ら笑いを浮かべ、倒れている隆を容赦なく蹴りつけた。「やめて、死んじゃう、私が愛人になればいいのよね」慶子は、隆に覆いかぶった。「判ればいいんですよ。今から連絡先を渡すからちょっと待っていてください」...

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愛の破片の行方 9

「言ってなかったかな、空手5段なんだよね。僕は君みたいな理想かかぶれの正義ぶった坊やが許せないんだよね」薄ら笑いを浮かべ、倒れている隆を容赦なく蹴りつけた。「やめて、死んじゃう、私が愛人になればいいのよね」慶子は、隆に覆いかぶった。「判ればいいんですよ。今から連絡先を渡すからちょっと待っていてください」...

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前世の記憶 

はじめて君と言葉を交わしたときちっちゃい想い出の欠片を 懐かしい風が運んできた そんな気がしたもしかして遠い昔 君とどこかで 同じ時間を過ごしたのは 気のせい?君の笑顔をクレパスで描いてみたらささやかな物語達の断片達が仄かに浮かんだもしかしたら昔の記憶が 心のどこかに残っていたのだろうか?現実という川が僕と君を隔てている 同じ時間を過ごすことは 叶うことのない 儚い夢君への想いが時を遡る...

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一つの恋の面影

本日、昼より中学時代の友人で、死んでれらのメンバーだった友人と飲みました。「昼飲み」という奴です。話題は、25年間の片想い、独りの女性を想って亡くなったSのこと。そして昨年亡くなった女性の事を話しました。この女性は、拙者が初めてつきあった女性でした。憧れの女性がいたんだけれど、気が合って話しやすかったので友人から始まってつきあうようになったのです。この時のことを話して故人を偲びました。葬儀の日の風景...

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一つの恋の面影2

「年取るとさ、昔に戻るね。またバンドやっているんでしょう。」とずっだまっていたk美が拙者を見た。「まぁね。ほら、俺、昔からジョンレノンに似ているだろう」「え、ジョンというよりジョージとリンゴを足して2で割ったって感じよ。昔から」とM紀が笑った。「亡くなったH子が言っていたのよ」とY代が拙者を見た。「ジョージとリンゴを足して割ったかんじか」拙者は、そんなイメージで見られていたことにショックを受け煙草に...

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愛の破片の行方 10

「大丈夫?タクシーを呼ぶから、うちで少し休んでいって。ぼろアパートだけど」慶子は、隆を起こして微笑んだ。慶子は、意外な結末に驚いたようだけれど、心なしかほっとしていた。隆は、ヒーローになり損ねたどころかかっこわるい姿を見せたので照れ臭そうな表情をした。大通りに出てタクシーを拾い、三軒茶屋に向かった。隆は、車窓の風景を見ていると、森のアパートに向かうとき何度も見た風景であることに気がついた。「まさか、...

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愛の破片の行方 11

公園通りに面した一角に緑色の屋根に赤煉瓦のおもちゃ屋があった。入り口では、サンタクロースとくるみ割り人形がお客さんを待っていた。店の中からは、オルゴールが、「ホワイトクリスマス」が流れている。そして店長と男女4人のサンタクロースのコスチュームを身に纏った定員が笑顔で客の対応をしたり、おもちゃを並べ替えたりしていた。その中に美恵がいた。柱時計からフクロウが飛び出して、11時を告げた。「あ……」美恵は、...

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初恋の舞台

砂漠の先に見えた 幻想的な街 三日月の青い光と戯れるモスクの厳かな影幼い頃憧れていたアラビアンナイトの神秘の世界宿場町の雑踏にともる灯りは 影絵の世界を幻想的に照らす 砂塵に揺れる煉瓦の宿の前で 子供達が きらきらした瞳で 明日への希望と平和の祈りをコーランに託す 西洋と東洋の色彩が重なり 店の奥で誰かが民族楽器を奏でる 香辛料の香りの中でチャイを飲みながら 学芸会の想い出が心を過ぎる...

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青春の残照 なーんてね

早春の東京。初めて東京で3月を過ごしたとき、希望であふれ、汚い4畳半の部屋を何とか格好良くしたくって、バイトをしてテーブルやベットを買いました。テレビも電話もなくギターが部屋の片隅で夢を見ていました。夜になるとチャルメラの笛がなり、どこか懐かしい風景が残っていました。アパートは、...

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青春の残照 なーんてね 2

学生の時東京で好きだったのは『お茶の水』です。それは明治、いや大正時代の忘れ物のような...

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