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Channel: かすみ荘にて
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軽妙な物語の中で~新 八犬伝~

実家の片付けをしていると忘れていた物がたくさん見つかりました。その中でも、すっかり存在を忘れていた新・八犬伝の本が見つかりました。坂本九が、ナビゲーターしていたあの人形劇を小説化した物です。軽妙な文章で、原作に忠実でありながら、話を膨らませ、軽妙な独特の世界を表しています。小説は、脚本をもとにしているだけあって、あの番組が蘇ってきます。...

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十五夜の夜に~憧れのかぐや姫~

学園祭が終わった夜  薄が秋風に揺れ 空には大きな満月 兎が杵をもって餅つく十五夜さん ふらふら歩いていたら見知らぬ場所にいたよ どこかで聴いたことのあるピアノのメロディ きっとかぐや姫が弾いているのかな 待てよ かぐや姫なら お琴かな そんなことはどうでもいい 今宵は十五夜さんなんだから ピアノの曲はショパンの夜想曲 なぜ知っているかって 憧れのあの娘がいつもピアノで弾いているからさ...

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黄昏時の挽歌 5

「で、旦那の方は窮地に立たされているんだろう。何とかするよ」 「ありがとう」 由美の瞳は、涙で潤んでいた。 「で、どういう状況なんだ?」...

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青春の残照

桜散る頃 おまえの訃報が かつて愛した哀しみで言葉ににできず 泣きじゃくっている君から届けられた 銀杏並木の中での青春が 一瞬にして色褪せた 青春の破片の中でおまえと争った日 君への想いを断ち切り 教会の階段でライスシャワーを浴びる 幸せな二人を見送った紫陽花の季節 青い空におまえが帰った春の午後 おまえからの遺品の 一本の現像していないフイルムを託された フイルムに収まっていたのは...

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黄昏時の挽歌 6

「マスター、マンハッタンをお願いします」 修一は、由美がさっき頼んでいたマンハッタンを注文した。マンハッタンといえば修一が、学生時代好んで注文していたカクテルである。赤いマンハッタンをイメージしたカクテルである。天井にぶら下げられていたスピーカーからカーペンターズの「YESTERDAY ONCE MORE」が流れてきた。 「いい女になったよな、悔しいけど。母親と女性の狭間かな。」...

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黄昏時の挽歌  7

車の中で、雑音に混じった男と女の会話を聞いていた。男は部長で、女は只野真弓だった。女の名前は、男と女の会話からわかった。  「例の件は、どうなった」  「笹川隆宏は、落ちました。後は実行に移すだけです」  「よくやってくれた」 雑音の中から聞き出せたこのことは、修一とへろふみに重くのしかかった。とにかく只野真弓という女が影で暗躍しているのは確かな事だった。 「明日、この只野真弓という女を強請るか」...

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淡いキス~落ち葉が舞う中で~

思春期を過ごした木造校舎が 取り壊されると知ったのは 銀杏の葉が黄色く色づいて舞い散る初秋の日 想い出という落書きが散らばっている 色鉛筆で描いたような見慣れた風景だった 銀杏の葉が夕焼けの中で ぱらぱら舞っていた放課後 転校していく君と交わした言の葉が 君が奏でる「別れの曲」のメロデイに乗って踊る 別れ際に交わした淡いキスはソーダ水の滴 ほんの一瞬だけれど触れた君の唇...

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ムーンライト セレナーデ

昨夜は十五夜、今宵は十六夜のためらい月でスーパームーン。月灯りは、日本でも西洋でもアジアでも神秘的なものとしてとらえられています。ムーンライトセレナードはもちろん月の沙漠という名曲もあります。...

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黄昏時の挽歌 8

「しかし、けばいよなぁ」 修一は、ドブネズミの灰色の人混みの中にいるピンクのブラウスにクリーム色のミニスカートに黒いストッキング姿の真弓を見つけた。 「さぁ、行くか」 修一は、愛用のサングラスを黒のジージャンの胸ポケットから取り出した。 「僕も行くんですか」 「あたりまえだろうが……」 修一は、ウチポケットからピンクのハート形のサングラスをへろふみに渡した。...

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黄昏時の挽歌 9

「いや、笹川隆宏さんの件についてあなたが関連しているという情報を入手したんですけれども」 真弓の表情が、少し動揺した。 「証拠は、あるんですか?」 「証拠ですか?へろふみ君、例のものを」 「例のものですね」 へろふみは、バックの中から一本のカセットテープを取りだした。 「このテープには、あなたと部長さんの会話が録音されているんですよ。」 「え…………」...

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もう終わりだね

 1981年3月、絶望に落ちた時期です。...

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ありがとう

いつもくだらない詩ばかり書いていた 「落書き帳」と書かれたノートには 必ずピンクのボールペンで コメントが書いてあった くせのある丸い文字で 誰が書いたのか判らないけれど いつも勇気づけられた 言葉は 時には硝子の欠片になるけれど 暖かな マフラーになることもある ノートには恋や失恋や悩みが綴られていた 誰かが悩めば誰かが暖かい言葉を贈る 「落書きノート」の1ページ目には...

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黄昏時の挽歌 10

「ビジネス?」 「そう、ビジネス。テープをこの場で私に渡してくれるのならビジネスの内容を話すわ。」「わかった、渡すよ」 修一は、セカンドバックからテープを取り出し渡した。 「さて、話して貰いましょうか」 「昨日、笹川さんと丸山町のホテルにいったわ。正義感ぶっていても男なんてみんな同じだわ。部長には、ただそう指示されただけよ。部長が何を考えて指示をだしたかなんて私には関係ないわ。」 「そうか………」...

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黄昏時の挽歌 11 エピローグ

「どうしたんだ?何かあったのか?」 修一は、眠気眼でへろふみを見た。 「笹川さんが死んだんですよ」 「何!!」 修一は、飛び起きてテレビを見た。テレビの画面は、CMを流していた。修一は、慌ててニュース番組をしているチャンネルを合わせた。 「それでは、ただいま衝撃的なニュースが入りました。近畿商事の笹川隆宏さんが、会社において不正を働いたことを苦に近畿商事のビルから飛び降り自殺をしました」...

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砂糖菓子の街の頃

「小説家をめざして」というブログを始めた頃、やたら記事を更新していました。ちょうど今月の様な感じで、小説を発表していました。写真を入れること亡くひたすら文章だけの殺風景なブログでした。訪れてくれる人は、わずかでした。そして「夢人島をめざして」に名前を変えました。この時多くのブログの星達と出会いました。消えていった星もたくさんあります。そしてこのブログも一時閉鎖しました。今回の記事を書いていて原点が見...

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砂糖菓子の街

夢や哀しみや出会いが 絵の具の悪戯の様に 散らばっている街並み “アビーロード”のジャケットの様な 横断歩道を渡れば 僕たちの小さな街並み 冷めた現実の風など 吹き込んではこない 赤煉瓦の喫茶店“夢人島” ギタリスト 絵描き 童話作家 詩人の 卵達でいっぱい マスターはパイプをふかし 数々の物語の主人公達を 優しい眼差しで見守っている テーブルの上は 僕たちの小さなキャンパス...

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いつまでも 心だけはハードボイルド

大学時代、代田のアパートで小説らしきものを綴ったり、ギターを弾きながら作詞作曲をしていました。井の頭線新代田から歩いて20分。環状7号線を横切り、神社の側に拙者のアパートがありました。小田急線の代田から近かったのですが、俺たちの旅の影響で井の頭線を遣っていました。とにかく井の頭沿線に憧れていました。...

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再会の影 1

第1章 再会 「へろふみ、金はどのくらい残っている」 修一が、煙草をふかしながら2段ベッドの上の階で週刊誌を見ている博文に声をかけた。 「さぁ、どのくらいでしょうね?」...

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赤ワインの夕べ

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贈り物 ~クリスマス・イブの夜の奇跡~

ペリーおじいさんはお金持ち でも街1番のけちんぼう ペリーおじいさんの悪口は 街をつつむくらい溢れている クリスマス イヴだけは ペリーおじいさんの悪口は消え  楽しいクリスマスソングが 街を優しく包み込む ただペリーおじいさんの 家だけを残して 雪が街を白く染めながら クリスマスイヴの夜は 静かに静かにふけていく ボトルいっぱいにあった ウィスキーもいつしかなくなり ペリーおじいさんの...

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